トライバルアート
「芸術とは見えるものを再現するのではなく、見えないものを見えるようにすることである。」クレー
トライバルアートとは、ヨーロッパ以外の民族美術のことです。
なぜそれが美しい?
トライバルアートは見る人を圧倒する力を持っています。
作品の多くは、純粋な芸術ではなく、各民族の宗教儀礼に使用された道具です。
その根幹には各民族が持つ信仰や超自然への畏敬があります。
彼らが持つ霊性と、無意識の美学が感応した時に生み出されるもの。
それが、見る者を圧倒する精神性を秘めた仮面や彫像なのです。
そこには、外面的な美しさ以上に、溢れ出るソウルや神秘性があります。
その中で、アフリカのサハラ以南の諸民族が作った神像・仮面は多様で、アフリカ美術(アフリカンアート)と呼ばれています。
アフリカでは今も多くの民族が伝統を残しつつも、かつでほど熱心に儀礼は行われなくなっているようです。
多くの美しい作品が作られたのは20世紀前半までとされ、ほとんどは欧米に収容されています。
そのようなアフリカのトライバルアートは、日本から地理的、文化的にだけではなく、時間的にも遠く離れた世界です。
そして、そのあまりに遠い世界は、とても広大で、知り尽くすことができない神秘的世界です。
アフリカのトライバルアートは、そのような神秘的世界への旅行へ我々を今も誘ってくれています。