来歴
private collection, Berlin, Germany
彫刻家
Hien Koumpouthé (1922-?) from Kodioro Pelétí village (Baringuira).
ロビ族の神殿、祭壇に祀られるバテバという彫刻です。高さは38センチあります。
Hien Koumpouthéという名の知られた彫刻家の作品で、この大きさのサイズのものは稀少です。
造形
表情は緊張感に満ちた険しいもので、鋭い眼差しでまっすぐ前を見つめています。
腕をまっすぐ下げた姿で、人体を円柱の量塊としてあらわしています。
顔の表情を作る起伏や、なめらかなカーブを描く胴体は繊細で、温かさを与えるものです。
ロビの彫刻は抽象的で素朴な表情のものが多いですが、本作品は非常に個性的なニュアンスを持つ表情であり、名工Hien Koumpouthéの独自のスタイルが確立されていることが伺えます。
文化
ロビは「ティル」と呼ばれる自然の精霊の信仰し、その霊が占い師(thildar)を通じて共同体における規律を整える役割を持ちます。
村には、村全体を統括する特定の精霊(ディティル)がいます。
そして、バテバと呼ばれる木や粘土の彫刻が、特定の精霊の間を取り持つ役割を果たします。
ロビのバテバは様々なスタイルがあり、様々な目的のために作られます。
これらは持ち主の代わりに行動し、危険を遠ざけたり、良いことを招く力を持つ生き物とみなされています。
バテバは祠にて祀られ、生贄の血や卵、カオリンなどの捧げものを注がれます。
本作品も表面にこのような捧げものを何度も注がれた古いパティナがあります。