来歴
ex. D.Light, NewYork, US
ex. A.Neagle, NewYork, US
ex. C.Evans, NewYork, US
時代
20世紀前半~中頃
コートジボワールとリベリア国境のダン族のマスクです。
この仮面はダンの人々に信仰される、強力な森の精霊デュであるとされます。
造形
突き出た額と、金属の輪をはめ込んだ筒状の目、動物の歯と毛をあしらった口が特徴的です。本ブログで別に紹介したダンのマスクとは違い、本作品は男性的な要素を表現しています(仮面そのものは精霊であるため、性別はありません)。
マスク表面には、コーラナッツと血の犠牲を捧げたことによるパティナが何層にもわたって蓄積され、一層荒々しさを強調しています。
マスク下部には呪術的な角飾りや舞踏の際に音を鳴らすベルが取り付けられています。
仮面結社において文化的機能を長く果たしたことを示すパティナや装飾、荒々しさを強調する要素が相互作用し、鮮烈な存在感、内的な力強さを生み出しています。
文化
ダンの仮面文化については別ページで紹介した通りで、本作品も男性の秘密結社のメンバーによって着用されました。
本作品は、ブグレ(Bugle)というスタイルのマスクで、戦争に関わるものです。
戦いの参加者を鞭打ち、敵を怯えさせ、時には兵士を率いて戦場に赴いたとされます。
以下写真に見られるようなマスク表面の堆積物は、祭壇で祀られた際に定期的に捧げられたコーラナッツの供犠によるもので、動物の血液も含まれています。
仮面は常に精霊と繋がりを持ち、時々その歯ぎしりの音が聞こえたと言われています。